福知山線の脱線事故

こうして、阪急宝塚線とJR福知山線の沿線が大阪や神戸で働く人のベッドタウンとなった。
平成17年4月に起きた福知山線の脱線事故も、そこに移り住んだ大勢の人たちを利用客として奪い合う阪急宝塚線とJR福知山線が所要時間の短縮競争を行なうことで、ダイヤが限界を超えて過密になったことが原因のひとつになった、といえよう。
阪神電鉄の神戸から西宮にかけての工業地帯の多くが住宅地に転用されるいつぽうで、たくさんの人が大阪や宝塚、3田など他のエリアに移り住んだ結果、とりわけ阪神電鉄線沿線の海側の土地は、震災前の5分の1程度に値下がりしたが、まだ広大な空地が残っている。
住宅地の地価が大幅に下落しているのは阪神電鉄線沿線だけではない。
震災前に高級住宅が建ち並んでいた山側も同様だ。
かって阪神で最も高級な住宅ろくろくそうちよう街といわれた芦屋市の6麓荘町は、1区画が11100坪から500坪あるような高級住宅街であるが、いまは震災前の5分の1ほどの価格にまで値下がりしている。
なぜそのようなことになったのか。
私が学んだ神戸の甲南学園時代の友人たちと話し合ったことがある。
神戸製鋼所や川崎製鉄、川崎汽船、住友金属、住友商事、日商岩井、トーメン、さらには旧住友銀行(合併して111井住友銀行)や旧3和銀行(合併して111菱東京UFJ銀行)までもが本社機能を東京に移していて、東京1極集中が進行していることが原因だろうという結論になった。
阪神間の地価下落傾向にもようやく歯止めがかかった。